julycrane0’s diary

ぶれぶれなるままに日暮し

空は一人でした。
みんな空を知っていました。
けれど、空は一人でした。みんな空を気にかけていました。
でもそれは自分たちのためだということを
空は知っていました。
空は泣きました。
そのあと、空は晴れやかに笑いました。
青がほんの少し見えたからです。
空は青が好きでしたから
青を身にまといました。
空は青が大好きだと言いました。
そしたら海が青を集めてきてくれたので
空は嬉しくなってもっと大きな青いお口を開けてもっと笑いました。
すると、
海から雲が出てきて大好きな青が見えなくなりました。
いつもこうです!
とても嬉しい嬉しいというと海は
宝物を隠してしまいます。

海はひどいや

僕が幸せになるのが気にくわないんだ。

空はそう思いました。

空はぷんぷん怒って
雷と友達になりました。

グレてしまったのです!

雷は人を脅かすのが好きでした。
中にはそんな雷を懐かしく眺めるものもありましたが、大抵の人は雷を恐がります。

雷は小さいのや大きいの、沢山仲間がいました。空は楽しくなりました。
ずっと一人だったからです。
けれど、空はとても疲れてきました。

空は本当はいい子でしたから
沢山の人が泣いているのは自分のせいだと思うととても辛くなりました。
けれど空は友だちと一緒にいたいと思いました。
一人になりたくなかったのです。
空は泣きながら轟きました。

けれど、誰も空を起こりませんでした

ただ、遠くから空を眺めるものがおりました。
羊飼いのおじいさんです。
空は変わりたいと思いました。
けれど、どうすればよいのかわかりません。
空はふと気づきました。

ここには大好きな青が
一つもないことを
空は青が恋しくなりました。

恋しいと呼ぶとどうでしょう
さっきまで轟いていた仲間たちが
なぜか遠く離れていきます。

そして空は真っ青な青に出会いました。
青は高く澄んでなんと美しいのでしょう。

空は青に恋をしました。
でももじもじ曇ると青は
遠くへ行ってしまうようでした。
ずっと青といたい!

空はそう思いました。
けれど、
青はそのうちまるで別人のように
しらっちゃけていきました。
空はそんな青は好きじゃないと思いました。
空は台風の後に出会った青とはきっと
別人なんだと思いました。
よく見たら青はそこら中に星の数ほどいますしね。

でも空にはもう一つ気づいたことがありました。
毎日違った表情を見せるこの青は
たった一つだということを
まるでボクと一心同体に動く青は
ぼくみたいだ。
空はそれから泣いて笑って怒って
そんなことを繰り返し、その度に変わる青を愛し続けました。

まるで鏡に映った自分を知らない
赤子のように。
いつまでもいつまでも…。